私は鶏を殺せなかった[ワーホリ]
↑新たに増えた仕事
こんにちは、せかすみです。
ニュージーランドに一年滞在していた頃の記事を書いてます。
初めての方は是非下の記事から読んでいただけると嬉しいです😊
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あれから一週間ほどたち住込生活に慣れてきた今日この頃、新入りがやってきた(既に気分は先輩)。
ドイツ人のカップルのマギーとハネスだ。2人は高校を卒業し、大学に行く前に二人でニュージーランドに旅行しにきたらしい。私は2人とすぐ仲良くなり空き時間に丘から転げ落ちたりして(?)よく遊んだりする仲になった。
WWOOFをしていて不思議に思ったのがオークランドではなかなか出会わなかったヨーロッパ人によく出会うことだ。それとは逆にオークランドでよく見た南米人や(日本人にはたまに出会うのだが)アジア人には出会わない。多分、WWOOFの知名度が違うからかもしれない。
その日はパンに塗るバターを切らしていたので、みんなでバターを作った。この家には牛もいるので搾りたての牛乳も常に冷蔵庫の中にあり、その牛乳は日本でいつも飲む牛乳とは違い油分が多いため、上の方に分厚い黄色の膜が出着ておりそれをすくって容器に入れ根気よく振り続けると固形化してきてバターが出来上がる。
ヤギのミルクにお酢みたいなものを入れて温めていると凝固し始め、それを布で濾すとチーズができる。それに塩胡椒をしてニラみたいなハーブを入れて混ぜたものが本当に美味しかった!
ある日、ジョンがお昼を食べ終わった後にみんなに集まるように言い、みんなが集まると、
鶏を今から殺すから手伝える人はいるか
と聞いた。
立候補したのはニックだけだった。
ジョンは私がいつも餌やりをしているゲージの中なら鶏を数羽連れてきて、斧のようなものを使って鶏を殺した。私を含めた4人は遠くから鶏が殺されるところを何も言わずに見ていた。殺す瞬間を見ることができなかった私は自分をずるい人間だと思った。
その後、みんなで殺した鶏の羽を抜いた。普段スーパーで見ている鶏肉はピンク色だが、この時見た鶏の肌は灰色だった。その死んだ鶏の羽を抜きながらオークランドの食品工場で小さな箱に詰められていた鶏肉を思い出した。
ジョンはこれを見て何かを感じてほしくてみんなを呼んだんだと思う。
それまで見てこなかった、考えてこなかった現実を見た私はこの瞬間、この1日を忘れないと思う。
お付き合いいただきありがとうございましたっ。
ではまたっ。